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ワールドカップ欧州予選
苦悩するフランス代表、チーム再建なるか?

次回ワールドカップ予選が世界各国で一斉に開催される。毎回のことながら、ある時期を境に代表のスター選手が引退、各国新世代の行方は興味深い。

フランス代表の新旧世代交代が激しい。98年、華麗なプレースタイルでワールドカップを征して一世を風靡したメンバーも、寄る年波には打つ手もなくジダン、デサイー、チュラム、リザラズ、マケレレらが、惜しまれながら国際試合引退を表明した。そして、今季から新監督が就任した。

リザラズは「攻守に膠着状態に陥ると、とにかくジダンにボールをパスしさえすれば必ずなにかをしてくれた。」と言うように、フランスは長い間ジダンの稀有な個性に依存していた。そのジダンの後がまがそう簡単に見つからない。
このため長年ユース代表チームを指導してきたレイモンド・ドメニック新監督は、ワールドカップ予選は不動のアンリ、ヴィエラ、ガレスのレギュラー3選手以外は、毎試合メンバーをコロコロ代えてチーム再建に手探り状態が続いている。

過去に苦汁を飲まされている苦手の対イスラエル戦、ホームでまさかの0-0で引き分けた。フランス選手は、かつての面影もない自信喪失状態、ミス連続の瀕死の重症とも見えた。

10月9日、このグループ最大の強敵、絶対に負けられないホームでの対アイルランド戦には、背に腹は代えられない応急処置、よくあるベテラン”復帰”策をとったのだ。
新主将にGKバルテズを復活させ、DF右のガレス、センターバックに代表歴数回の若いモナココンビ、スキラッチ、ジベット、シルベスタ、MFにダクー、イエローカード2枚で欠場したヴィエラが代わり、1か月前アンゴラからフランス国籍を獲得したマウバ(20歳)がデビュー。左サイドにピレス、右にヴィルトール、アンリ、シセのツートップの布陣だった。

この試合は今季最高のできだったが、得点に結びつかず0-0で奇跡的に引き分けた。
センターバックの2人はまだ慣れないのか、存在感も乏しくなんとも心細く見えたのはぼくだけではあるまい。かれらと比較すると、久々にガレス、シルベスタらのプレーが落ち着きミスもなく頼もしく見えるから不思議だ。MFではダクーが一生懸命捨て身でがんばった。デビュー戦のマウバを責めては酷というもの。代表のピレスは横走りが多く、ボールキープ力だけが取り柄だ。ヴィルトールが生き生きして映る。頼みのアンリも突破を掛けるが、ことごとく潰された。

失望したのはシセだろう。代表でいいプレーを見たことがない。このままではアネルカ、トレセゲにポジションを奪われるのは必至だろう。

引き分けに終わったのも、GKバルテズが神懸かりのファインセーブでフランスをすくったからであり、寂しい限りだ。
これでほぼ今年のテスト試合は終わった。今後本格的な新監督構想のチームのチューンアップ、手腕を結果の問われる。
欧州各国のチーム内情、問題点は、多かれ少なかれフランスと遜色はない。同じ夜、ポルトガルがリヒテンシュタインに引き分け、イタリアがスロベニアに敗戦したのも、選手の世代交代、新監督式の難しさだろう。

こうした世代交代の凸凹が少ないのは、自他共に認めるサッカー王国ブラジルだけ。いつの世代にも多少の落差があっても、即座に穴を埋めるだけの控えの人材が豊富なのだ。

これからの2年間、フランスを始め欧州代表が次回ワールドカップまでどのようなチームに作られてゆくのか楽しみだ。

(望月次朗)

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