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2004年9月26日 ベルリンマラソン
大南敬美選手、高橋昌彦UFJ監督
高橋昌彦監督「今年は大南博美が調子を落としている。敬美が調子が良いので、ボルダーで調整して自己記録(2時間25秒03)を更新目標にして走った。2時間23分26秒は予想以上のタイムの自己新記録です。小雨が少し降りましたが、コンディションは理想的でしたね。ここの主催者は選手に記録を作るいろんな手段を考えてくれる。バイクに乗って伴走、選手に直接声を掛けることができる。ペーサーを2人付けたことも良かった。まだ、渋井選手に付いていけるほどの力はないので、スタートから無理して追って自滅するようなことは避けました。渋井選手は良かったですね。これで日本女子選手のレベルがまた一段上がり、次の世界選手権大会、北京五輪のこれから4年間は、女子代表選手権獲得争いの熾烈な攻防戦が始まりますね。これに対抗できるように、うちの選手もがんばります。

大南敬美選手「自己新記録を目指し、それを大幅に破って達成したのです十分です。最初から自分のペースで走りました。2人のペースメーカーがキチット走り、非常に走りやすかった。風もほとんどなく、後半気温が下がってきたのですが、全体的にはコンディションが良かったですね。」


フェリックス・リモ、後半スピードダウン、世界記録を逃す

五輪直後だが、さすが高速マラソンで世界の注目を浴びる秋シーズン開幕のベルリンは、男女の世界トップランナーが勢ぞろいした。予想に違わず、今春のロッテルダムを向かい風をものともせず、2回目のマラソンを2時間6分14秒で征したフェリックス・リモ(ケニア、24歳)が最後の1kmでスパートして優勝。2位は名古屋NTN所属のジョセフ・リリ(ケニア、21歳)を引き離して2時間6分44秒で優勝。
リモは「シティマラソンはレースがタだ。高速レースで競争が激しい。小雨が降って路面が滑り、一度は転びそうになった。路面の水たまりを避けながら走った。前半は1時間30秒で通過。あの直後から5人ぐらい残り、ペースは1kmを3分以下で通過。世界記録を狙えるペースだったが、ペースメーカーが30kmで終わり、お互いに勝ちを狙い牽制した。風も多少出て寒くなり、腰も痛くなった。後半スピードダウンした。勝てるような気がしたのは、38km過ぎてから。世界新記録がならなかったのは残念だ。
コーチはパトリック・サンガ(元3000m障害ソウル五輪銀メダリスト)、約2か月半の準備をしてきた。来年天気さえ良ければ、世界記録を破るチャンスはいくらでもあるさ!(金の使い道を聞かれて)まだ貰っていないので、使い道を考えてもいない」と雄弁なケニア人が笑った。前夜、リモはマネージャーらと一緒にホテルのロビーで10時過ぎまで騒いでいた。
2位のリリはこれが4度目のレース。今春ストックホルムで2時間16分12で優勝した選手。「リモに勝てるチャンスはなかったが、自己記録を大幅に破ったのが嬉しい。NTNと契約したのは1年半前。会社の好意でマラソンを走れる。マラソン練習はケニアのニャウルルで行い、日本とケニアを半々に住む生活。」3位ポール・タガートの演習パートナー。02年、ボストン2時間10分29秒で3位の実績を持つジョシュア・チェランが(ケニア、21歳)さらに6秒遅れだった。(月刊陸上競技11月号掲載)

(望月次朗)

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