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フランスvsウェールズ
Oh,la,la,la !! フランスの惨敗、ウェールズ復活か?

フランス人はウェールズに逆転惨敗を喫した試合を「NUL!!」と言うが、さしずめ「見るに値しない」と言うべきのものだろう。まさにフランスは屈辱の自滅だった。

フランスは05年6カ国対抗戦2連勝したものの、消化不良を起こすような勝ち方だった。3戦目は今季のフランスの実力を実証する正念場だったはず。

試合開始からいい形でフランスは攻めた。満席になったスダッド・ドゥ・フランスの7.5万人の観客は、一時的ながら“フレアー”が蘇ったと錯覚を起こしたろう。

フランスの最近の試合は、パワーに頼る傾向が圧倒的に強い。立ち上がりから積極的な攻めのリズムが好調で、バックスにボールが回る。たちまち4,12分とヤシヴィリ、ルジェリらで2本のトライが生まれ試合を有利に進めた。

ヌーベルバーグの旗手、ニャンガも抜群の身体能力で卒なくフランカーをこなす。前半を終えて15―6、観衆はスペクタクルな攻撃を久々に満喫して、後半を大いに期待した。フランスの勝利は誰もが信じて疑いがない雰囲気だった。

ところがわずか15分間で、一体、ロッカールームでなにが起きたのだろうか?前半の甘い夢と希望が、後半開始わずか5分でウェールズの攻撃に粉砕された。あっという間、ウェールズは昼行灯のように目覚めの悪いフランスに強襲。42分、フランカーW.ウイリアムスがトライ、コンバーション、15―13と詰められた。

続いて、その3分後の45分、またしてもW.ウイリアムスがトライ、15―18と逆転。試合の流れは簡単にウェールズに傾いた。

フランスはミシャラック、アリノドロキらを投入。64分、ミシャラックがドロップゴールを決めて同点にしたものの、個人パワーラグビーはウェールズの統制の取れた固いDFを崩すことはできず。ただ悪戯に直線を走り当たるだけでは、ウェールズを最後まで崩せなかった。

それにしてもフランスは、前半、最近では珍しく積極的にBKにボールを回して、大型BKが走り早いボール回しでアドヴァンテージラインを暫し越して成功していた。デビュー戦のFBもライン攻撃参加。これと言ったミスもなく遜色ないプレーだった。

両チームのFWの力、セットプレー、ラインアウト、ディシプリン、細かなボールスキルとも甲乙つけがたいが、体力に依存した単純なパワープレーだけが武器だ。これじゃあ、DFもそんなに難しくはない。

フランスBKの弱点は細かなボールスキル、相手のボールを殺すタックルの甘さ、不安定なライン連携DFとプレーなどが上げられる。

ウェールズのBKは統制が固いDFネットワークギャップがない。フランスBKを予期していたように確実に止める。SOのS.ジョーンズのプレーは光った。

左ウイングS.ウイリアムスが小柄だが、かつてのフランスウイング並みの動きでチャンスに鋭い走りを見せていた。

TV観戦したアイルランド―イングランド戦、アイルランドBKの攻撃力はイングランドを大きく凌ぐパワー、チーム力、個性あるプレーヤーが勢ぞろいしている。アイルランド、ウェールズは同じタイプのチーム、この両チームの勝ったほうが、久々にグランスラムを達成するだろう。

(望月次朗)

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