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欧州チャンピオンズリーグ決勝トーナメント
1回戦第2戦 リヨンvsブレーメン
リヨン大勝、2年連続準々決勝進出

チャンピオンズリーグ戦を控えたリヨン市は国際展示会開催中で活気に溢れていた。このためホテルの予約は悉く断られた。TGVで下車して、断られるのを承知で駅前のホテルに、ダメ元で空き部屋の情報を掴みに入った。

すると、幸運にも「一人部屋」だけが開いていた。こんなこともあるのだ!!

ドゥ・パルドユー駅から、地下鉄1本でスタジアム前に行ける。切符を買いたくとも、ここには窓口はなく自動販売機だけ。紙幣を使えないので、駅まで戻らなければ切符は買えない。面倒なので無賃乗車と決め込んだ。

スタジアムは6駅先。約10分で検札もなく到着。すでにスタジアム周辺は大騒ぎだが、明らかに第1戦を0―3でリヨンは勝っているため、準々決勝進出はほぼ決定の楽観ムードだ。殺気立った雰囲気がない。サンドウィッチを買い込んで食べながら歩く。

リヨンは慎重な布陣をしてきた。ビルトールのワントップ、主将のゴヴ、マルダを両サイドに置き、エチアン、ジュニヨ、マルダらが中盤を固める。

ブレーメンは予想通り3人のFWを置き、劣勢を挽回の試みだ。徹底的に攻撃的な布陣を敷いてきた。

リヨンは試合開始8分、シルバン・ビルトールがマルダのパスを左サイドで受け、DFの背後に飛び出し、GKのポジションを良く見て狙いすませファーポストいっぱいにゴールを決めた。

これで調子に乗ったリヨンは、続いて17分、右サイドのゴヴが個人技で2人のDFをかわし、ビルトールにパス、ビルトールがきれいなスルーパス。走り込んできたフリーのエシアンにボールが渡り、強烈なショットを叩き込んだ。

これでリヨンは合計得点で6点差。ここまでくるとブレーメン選手は心理的なダメージで動きが鈍い。それだけではない。いかんせん個人能力差が歴然、ブレーメンDF網ではとても防ぎきれない。勝敗はほぼ前半の半ばで決まった。

調子に乗った時のフランス選手には手がつけられない。エシアンがドリブリで中央突破。飛び込んできたGKライケンをかわして無人ゴールに3点目を蹴り込んだ。

ここまでくると、ブレーメンのミクーが1得点して返したものの、すでに完全に手遅れだ。それでもリヨンは攻撃の手を緩めることなく、ビルトールが右サイドからのゴヴのクロスを走りこんでハットトリックを決めた。

リヨンが大勝して2年連続準々決勝に駒を進めたのは、近年クラブ会長、ルグエン監督のパッション、ビジョンの賜物。ファームでの選手育成、監督の選手起用が成功している。多分、リーグ連続3連勝は間違いないだろう。

アンデルソン、エドミルソン、エルバらの大物ブラジル選手でも、かつての夢を追わず、早めに見切りをつけて放出を決めた。ヴェテランのジュニーヨを今季はDFハーフに下げたコンバーションも成功している。

チャンピオンズリーグでも、最近の傾向としては、圧倒的に破壊力があり、攻撃的なクラブが活躍しているのが特徴だ、中でもリヨンはその典型的なクラブだ。

欧州クラブ選手権で活躍した実績のないリヨンが、このまま次回で結果を残すことは非常に難しいだろうが、FW、中盤からでもゴールを狙える選手が多い。

決勝トーナメント1回戦第2戦 (2005.3.8)
  リヨン 7-2 ブレーメン

(望月次朗)

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