shot
 
NEWS
野口みずき
アベベ・ビキラ賞を授与

11月5日、アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずき選手が、NY国連本部に隣接する公園で、NYシティロードランナーズクラブのレースディレクター、マリー・ウィテンベルグから「アベベ・ビキラ賞」を授与された。

日本人にはあまりなじみのないこの賞は、NYマラソン主催者が創立したいわば個人的なもの。
過去の受賞者は、NYマラソンで活躍して引退した選手が主の対象になっているケースが多い。
日本選手が一人も受賞せず、しかも現役バリバリの野口選手が日本人初の受賞となった。

トロフィーを受けた野口選手は、約1万5000人以上の参加者に向かって日本語と英語の両方で「アベベ賞をいただいて、とてもうれしい。ニューヨークが大好きです」と挨拶して、喝采を浴びた。

多くの参加者は、五輪優勝者を目の前で見て、小柄なことに驚いていた様子だった。
授賞式後、国連前からセントラルパークまで、恒例の“朝食国際友好ラン”を走った。

石原慎太郎都知事はブルームバーグ・ニューヨーク市長とスタート行事に参加後、先導車両からコースや沿道を視察。
かれの周辺には警視庁を始め、諸々の関係者が視察の名目でゾロゾロ。
2年後の開催予定の大東京マラソンに、元陸連幹部やらウンサクサイ人たちがなんらかの形でくっ付いている人たちだ。

外国でジョギングブームに乗って開催された新設のロードレースの遥か以前、日本国内では無数の駅伝、マラソンレースが行われていた伝統がある。

視察はある程度の参考になれど、NY,ロンドンのような大衆マラソンは、外国ロード使用規制などの、法的な問題が全く異なるために問題点も違ってこようというもの。
知事は東京マラソンを都が独自に開催をうたっているが、NYロードランナーズクラブのノウハウのコピー、お手本、援助が必要とは自他共に認めるマラソン伝統国が情けない。

東京マラソンは「姉妹都市」「友好親善」を前面に謳いあげているが、NYマラソンに全くそれが見れないがおかしい。東京の独りよがりかも・・・。

レースを見た都知事は「まったく素晴らしい祭りだと思う」と語った。また「トップアスリートをはじめ、世界中から多くの人たちに参加してもらいたい」と有力選手招へいに力を入れるとし、多くの問題を抱える交通規制について「中途半端なことをしてはしないので徹底してやる」と抱負を語った。

都は2016年の五輪招致に弾みをつけるため、3万人規模の東京マラソンを計画しており、石原知事の視察はその一環だと言うが・・・?

NYロードランナーズクラブがアベベ・ビキラ賞を日本選手に贈ったのも、かれらの持つ「ノウハウ」を“大東京マラソン”輸出する魂胆と都知事自らNYを訪問に引っ掛けるものだと見るべきだろう。

(望月次朗)

Copyright (C) 2005 Agence SHOT All Rights Reserved. CONTACT