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メリサ・バーバー
とても信じられない!、初のビッグタイトル獲得

最近のアメリカ女性スプリンターは、小柄な選手が多い。メリサ・バーバー(USA,24歳、160m、52kg)は、室内世界選手権60m決勝で、実力ナンバーワンのやはり小柄なローリン・ウイリアムスを僅差で破って念願のビッグタイトルを獲得した。写真判定の結果が告示されると、二人は抱き合って喜んだ。バーバーは南カリフォルニア大学卒業後、100,200m世界選手権優勝者ジュスティン・ガタリン、ショーン・クロフォードらのグループで、トレボー・グラハムのコーチを受けるようになってから、400mから100m専門に転向して大成功。これまで代表チームのリレー要員で、パリ世界選手権では4x400m第1走者、ヘルシンキは4x100mの優勝チームの第3走者だ。念願の大きな大会の個人種目で真ん中の表彰台に上った。これまで400m最高記録50秒87、200m22秒37、100m11秒04(追い風参考記録が10秒87)、世界選手権前の室内60m7秒18。双子の姉妹ミキも短距離選手で実力はほぼ同じレベルだ。

「I feel great!! 世界選手権で勝ったなんて!優勝がまだ信じられない。7秒01の自己新記録!ローリンも2位でアメリカで上位を独占できたことは最高だ。ローリンが6コースだったが、視界に入ってきたので良くわかったいた。スタートはほぼ完璧に飛び出たので、中間から後半、硬くならないで最後までリズムを崩さないで走ることに努力した。室内世界選手権で、一度も勝った経験がないので、非常に嬉しい。05年から記録が急激に伸びたのは、コーチがわたしの走法、小柄なので400mから100mに転向を薦めたのが良かった。最初のころ、コーチの転向アドバイスに、未経験から来る不安が少しあり抵抗もあったが、今では100mが最適だと思うようになってきた。これまでの400m経験が有利になっているのかもしれないが、転向からわずか1年間で最高の結果が出たのは、自分でも驚いている。わたしにこの種目が適正していると、少しずつ自信を持つようになってきた。この勝利は、特に、自信をもたらしてくれます。わたしは元400mランナーだったので耐久力はあるが、短い距離の瞬間的のスピードでも世界で十分に通用することが証明できました。でも、まだまだ、習うことはたくさんありそうです。」バーバーの60m室内世界選手権優勝は、ゲール・ディヴァースの1993,97.2004年の優勝に次ぐ、二人目の快挙だ。

バーバーは、 グラハム・コーチの手腕と五輪、世界選手権100,200m優勝者グループをこう説明する。「われわれのクラブは、『The Sprint Capital』と呼ばれる、世界最強のスプリンター・プロ集団。われわれは男女とも世界一を目指す高いモチベーションを掲げて、ここの持つ目標に向かってハード練習をしています。練習中は五輪、世界チャンピオンが一緒で毎回の練習の密度が高く、ピリッとした張り詰めた空気に緊張、刺激されますね。もちろん、学生時代の200,400mを専門にしてきた練習とは違ってくるが、グラハム・コーチは手の振り、上半身と重心の腰のポジション、移動、モモの上げ方から足首の動きを細かく、いかにロスを少なくしてトップスピードで走ることができるか繰り返し練習する。」

今年の目標は、100mでサブ11突入して、欧州GPでコンスタントに10秒台で走る力をつけるのが目標です。自信をつけたい。今年の結果の先に、大阪世界選手権、北京五輪が見えてくると思います。引退後はビューティサロンを開くのが夢です。

(06年月刊陸上競技誌5月号掲載)

(望月次朗)

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