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悪天候を突いて挙行ロバート・チェルイヨット2連勝、女子はリディア・グリゴリエワ初優勝

4月16日、111回目を迎えた伝統のボストン・マラソンは、欧州各地の60年ぶりの暑さとは逆に、一時は大会開催そのものが心配された悪天候だった。寒く、風雨を交えた最悪の気象条件なため、レース前から記録は望むべくもなかった。その悪条件の仲でも、強者はやはり実力を発揮した。男子はロバート・チェルイヨット(ケニア)が2時間14分13秒で2年連続3度目の優勝を遂げた。ポール・テルガトの練習パートナーのチェルイヨットとケニアの北西のカプサタガットで練習するジェームス・クワンバの2人は、同じマネージャーのチームメイト。一騎打ちになった。チェルイヨットはレースをこう振り返る。「こんな悪条件のレースは始めてだ。でも、条件はみんな同じだった。最初の7kmはジョギングペース。風に飛ばされそうになった。なにが起きても不思議ではなかったので、みんなが慎重に走った。35kmから本当のレースになって、クワンバと2人の争いになった。40km付近でクワンバがボトルを取って、栓を開けようとしてまごついている隙にスパートした。記録より無事に完走して勝ったことが嬉しい。大阪世界選手権出場は、まだ考えていない」と、サバイバル戦を制してホッとしたようすだった。

女子はリディア・グリゴリエワ(ロシア、33歳)が2時間29分18秒で初制覇。男女とも優勝金額10万ドルを獲得した。イェレナ・プロコプスカ(ラトビア)が昨年に続き2位。ボストンでは勝ち運がない。3位にはマダイ・ペレツ(メキシコ)。期待されたアメリカの長距離の女王、2時間19分36秒の記録を持つディーナ・カスターは、途中でトイレに駆け込むハプニングで2時間35分9秒の5位に終わった。初マラソンの田中宏樹(中国電力)は2時間20分10秒で14位だった。
車いすの部の男子は副島正純(シーズアスリート)が1時間29分16秒で、女子は土田和歌子(ヒューマントラスト)が1時間53分30秒で制した。車いすの部は男女とも日本勢が制覇。

 
(07年月刊陸上競技誌6月号掲載)
(望月次朗)

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