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ヴェロニカ・キャンベル、女子200m2連覇達成

ヴェロニカ・キャンベル−ブラウン(ジャマイカ、26歳)は、女子200mをここ10年間では最速、史上8位の21秒74で圧勝。史上2人目(76年五輪でバベル・エッケルト、結婚したため80年はバベル・ウォッケル(いずれも当時の東独)となっている)の五輪女子200m連覇を果たした。

キャンベル−ブラウンは、ジュニア世界選手権100,200m2冠後、アメリカ留学で成長した選手だ。昨年、大阪世界選手権で100,200m2冠を制したが、ジャマイカトライアル100mで4位に止まり、この時点で五輪2冠の夢は消えた。キャンベル−ブラウンは「準決勝の結果を見ると、決勝はわたしとアリソン・フェリックス(アメリカ)の戦いと思っていた。レースはスタートから良かった。最初の100mで前の5コースのアリソン・フェリックスを追い抜き、50mを残して勝つと思った。大幅に自己記録を更新して大変に嬉しい。これもウサイン・ボルトの大活躍がジャマイカチームに与えた相乗効果です!半世紀に渡って五輪優勝は難しいと言われてきた「万年2位」コンプレックスは吹っ飛んだ。チームの雰囲気は明るく自信に溢れている。わたしにもできる!と全員が自信を持ってきた。わたしも彼の影響を受けた一人でしょうね。」

最近、多くのジャマイカ選手は、スポーツ留学で渡米して素質を磨くより、環境に慣れた島に止まることが多くなった。かつてはアメリカの大学からスポーツ奨学金を受け、ジャマイカより優れた環境に身を置いて持てる才能を開花してきた。キャンベル−ブラウンもその一人だ。ところが近年この傾向に変化が見られる。アサファ・パウエルが島に止まり、ジャマイカのコーチの下で半世紀ぶりに世界新記録を連発。経済的にも地元のスポンサーの支えで育ったことが大きく影響して若いスプリンターは地元育ちが多い。キャンベル−ブラウンは、「北京のジャマイカ選手のゴールドラッシュは、強烈なインパクトをもたらすでしょう。なにかが吹っ切れたんです。これから当分、ジャマイカスプリンター王国が続くでしょうね。わたしはまだ26歳。もし、今のような状態が続くなら、4年後のロンドン五輪で史上初の女子200m3連覇を狙いたい。」

 
(08年月刊陸上競技10月号掲載)
(望月次朗)

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