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北京五輪スプリント3冠王、ウサイン・ボルト奇跡の生還

4月29日、ジャマイカの至宝、北京五輪スプリント3冠王、ウサイン・ボルトは、首都のキングストンに向かう途中、セントキャサリーン教区(キングストンから車で西に約40分の距離)で、雨に濡れた高速道路でスリップ。車の前輪はバースト、数回横転、溝に突っ込んで大破したが、奇跡的に九死に一生を得た。ボルト、2人の同乗していた女性らも軽症だった。

真っ先に事故現場に飛んで取材した現地日刊「オブザーバー」紙のカメラマン、ブライアン・カミングスが現場の生々しい様子を語ってくれた。

「通常なら、あの事故現場は直線道路で事故を起こすような場所ではない。警察の発表では道路が雨のため濡れ、突然、スリップを起こしたのが事故の原因と発表したが、たぶん、高速で突っ走って運転を誤ったからだろうと思う。ボルトはわれわれを見ると、Vサインなどして見せ『大丈夫だよ、なんでもないよ!ちょっと足先を傷つけただけさ!』と笑っていたが、精神的なショックは大きかったはず。足指の傷は、車外に出たときトゲかなにかに刺された傷らしいと言うから、奇跡的な生還だよ」

このショッキングなニュースはたちまち全世界に飛んだ。

ボルトは数時間後に退院、帰宅を許された。後日、さらに精密検査を受けることになったが、5月1日ミルズコーチは、「今後のスケジュール変更予定はない」と明言。ボルトは5月17日、マンチェスター市内の目抜き道路上の特設150mレースに出場予定。6月に欧州遠征、パリGL,ローザンヌ、オストラバGP出場が決まっている。

ボルトのBMW M3クーペは、スポンサーのプーマ社から22歳の誕生日の贈り物だった。このためボルトは、5月2日に開催された「第6回ジャマイカ国際招待」試合は大事をとって欠場した。




 
(09年月刊陸上競技6月号掲載)
(望月次朗)

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