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フリードリッヒ、ドイツ新記録で優勝

ベルリン五輪競技場は、1936年五輪会場のためにナチス・ヒットラーが建設した自慢のものだが、3年前のドイツワールドカップ決勝会場になったのを機に屋根をつけた世界有数な機能的で最も美しい競技場のひとつだろう。

8月、世界陸上競技選手権が開催される会場で今季初のDK-ISTAFと呼ばれる今季最後の「ゴールデンリーグ」(来年からダイヤモンドリーグと呼ばれ、12試合になる。ベルリンは参加しない。)緒戦が6月14日に開催された。

GLにもかかわらず、月末の全米、ジャマイカ選手権が控えているからだろうか、スーパースターが少なかった。

この中で女子走り高跳び、アリアン・フリードリッヒとライバルのブランカ・ヴラセッチの争いは目玉の一つだった。

世界選手権でもこの2人の争いになるだろうと予測されているが、フリードリッヒが18年ぶりのドイツ新記録2・06mを跳んで優勝。

これまでのドイツ記録は、1990年代前半、一世を風靡した女子走り高跳びのヘイケ・ヘンケル(ドイツ)が樹立した2.05mだ。

伝統復活の女子走り高跳びは地元勢が最も優勝を期待できる種目のひとつだ。

昨年のフリードリッヒは2.03mだったが、室内で自己新記録の2.05mを跳び急成長し、欧州室内選手権でもヴラシッチを抑えて優勝している。

「今でもヘンケルの名前は子供でも知っている。彼女の名前、記録を追い越すことが目標だ。こんなに早くドイツ記録を破れるとは思っていなかった。地元世界選手権で優勝することが目標。今夜は大好きな鮨をたくさん食べて新記録を祝う」

エル・グルージュが引退後、北京五輪1500m優勝者のラムジが薬物問題で優勝を剥奪されそうな今、この種目にスターの不在がある。

オ−ガスト・チョゲ(ケニア、22歳)が、24年前のサイド・アウイタの記録に0.01及ばない大会記録3分29秒47、今季初のサブ30秒に突入して優勝。

同僚のハーロン・ケイタネが3分30秒20で2位、3位に19歳のウィリアム・ビウォットが3分32秒34で入った。

北京五輪長距離2冠のケネニサ・ベケレは、2週間前のヘンゲロGPで足の故障による練習不足で絶不調だった。

1500mだったが、まともに走れず途中で棄権した。

レース前にマネージャーのヨスに調子を訊いた。

「完走して勝つことが重要だが、調子は70%にも上がっていないだろう。」と。

メロメロになって走っていたが、最後の400mでいつものような切れはなかったもののスパート。

物凄い形相で懸命に追い上げてきたケニア勢を抑えて13分00秒76、今季世界2位の記録で優勝。

この種目12連勝、ウィニングランしながら指を空に上げて神に感謝、「世界選手権までにはまだ時間があるさ!」ほっとした表情だった。

マネージャーのヨスにも、予測が不可能なベケレの底知れないパワーにはいまさらながら驚いた。

この距離で12分台を記録するということは、普通の状態ならかれにとってそれほどの努力なしでも完走できるということだ。

 
(09年月刊陸上競技8月号掲載)
(望月次朗)

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