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五輪含め10000m5連覇中のベケレ健在、ディファーの2冠達成なるか、五輪含め10000m3連覇中のディババは

エチオピア、ケニア陸連は、五輪、世界選手権出場する最終的な長距離選手決定は、公式発表後でも合宿中の最も調子の良い選手を選ぶために直前までわからないのが常だ。

近年の五輪、世界選手権男女の5000m、10000mのトラック種目では、エチオピア男女選手が圧倒的に隣国のライバルケニア勢を抑えて完璧に圧勝している。まず、男子5000m、10000mで五輪2冠のケネニサ・ベケレ(エチオピア、27歳)、同じく女子5000m、10000m2冠のティルネシュ・ディババ(24歳)らは健在だ。五輪を含め5連覇中のベケレは、昨年、15kmロードレースに初出場してアキレスを痛め、室内大会、クロカンのすべて欠場。やっと5月半ばから本格的な練習を再開した。今季緒戦の1500mは途中棄権。その2週間後、ベルリンGL5000mでヨタヨタの優勝をしたが、パリGL3000mでは7分28秒64の今季2位の好記録でラガトに圧勝。北京に続いて長距離2冠狙い。ほかの5000mの3選手も全員12分台の21歳前後の若手起用。前回優勝者のバーナード・ラガット(アメリカ、33歳)は、今回も1500m、5000mで2冠を目指してくるだろう。

10000m出場選手は、ベケレ、五輪、世界選手権万年2位を続けてきたシレシ・シヒネ(28歳)、今年世界クロカンで優勝したゲブレマリアム(25歳)、アベ・ディンケサ(25歳)ら4人全員が26分台選手だ。シヒネの妻ディババも、シーズンの初めNYGP5000mでリネット・マサイ(ケニア、20歳)に競り負けしたが、7月25日ロンドンGP5000mで14分33秒65の今季世界最高記録で優勝。遅ればせながら順調にチューンアップしてきた。同僚のメサレット・ディファー(25歳)が、ディババ同様に初の2冠に挑戦する予定だ。彼女の持病はレース中に腹痛を起こすこと。五輪連勝も腹痛で逃した。10000mではこの2人と、史上2位の29分53秒80を記録したメセレッチ・メルカム(24歳)、マサイが絡んでの優勝争いになるだろう。

 
(09年月刊陸上競技9月号掲載)
(望月次朗)

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