shot
 
NEWS
 

重圧に潰れたフリードリッヒ 

この日、ドイツ期待の『スパースター』、美人走り高跳びのアリアン・フリードリッヒ(ドイツ、26歳)が初登場。

女子走り高跳び予選に8万人の観衆が巨大のオリンピック競技上を埋め尽くした。黒いサングラス、金髪で青白い肌に鮮やかな五輪マークの刺青。予選B組、予選記録1.95mを華麗なジャンプ1回でクリアーして通過。吼えて大歓声に応えた。

今季のフリードリッヒは、欧州室内選手権で優勝。モナコGPでライバルのブランカ・ヴラシッチ(クロアチア、25歳)に負けるまで17戦16勝。ベルリンGLでドイツ新記録2.06mをクリアー。ドイツ金メダル獲得に最も近い選手の筆頭に上げられた。

ドイツは男女砲丸投げ、7種目でメダル獲得して幸先良いスタートを切った。女子槍投げでネリウスが地元に今大会初の優勝をもたらした。そして地元の「新星」フリードリッヒに優勝期待の重圧が集中してきたが・・・、最終的に2位のアナ・チチェロワ(ロシア、27歳)とタイ記録2・02mを跳んで3位に終わった。

フリードリッヒは「2.06mを紙一重の差でバーを落として勝負が終わった。これほどの大観衆の前でのジャンプは最高だった。調子はベストだったが、見えない重圧は予想以上に厳しかった。地元の期待に応えられなかったが、信じられない重圧の中で獲得したメダルは、かけがえのない最も大切な誇りです。ライバルの勝利を祝福すると共に、この銅メダル獲得を素直に祝いたいと思う」と敗戦を潔く認めていた。

 
(09年月刊陸上競技10月号掲載)
(望月次朗)

Copyright (C) 2005 Agence SHOT All Rights Reserved. CONTACT