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ル・マン 松井大輔
88分、凡戦に決着つける値千金のゴールだが?

1月11日、フランス2部ル・マンでプレーする松井が、ホームでリーグ最下位のクレティユ戦に先発出場。残り8分、この日唯一のゴールを挙げ、チームに勝点3を献上した。

前週、フランスカップが行われた日程調整のため、2部リーグ戦が火曜日に行われたのだ。この日サッカーの試合はほかでは行われない。松井の新移籍先2点目の決勝ゴールは日本メディアに極めて重宝なニュースだった。
珍しくも写真入で「大久保だけではない。松井もフランスで奮闘している!」と、よほどイイサッカーネタが乏しかったのか大々的に報道した。
メディアは“虎の子”サッカー選手の報道に「世界に羽ばたく」と題した大きな扱いをしてきたが、一時の勢いはどこかに飛んでしまった。なんせ、若者読者煽動“メディア”期待の高原、柳沢らはベンチウォーマー!中田、小野、中村、稲本らは先発出場するだけで記事になる凋落だ。

確かに、この夜の松井は値千金の決勝ゴールを決めた。どんな勝ち方、試合内容であろうが、松井は勝ち点を獲得した決勝点を叩き出したゴールは大したもの。ル・マンは8勝5分け7敗でポイント29点に伸ばして9位から7位に浮上した。
しかし、試合場で目撃者の1人として、決勝ゴールを挙げた松井に、新年だからと言ってとてもノーテンキに諸手を挙げて賞賛する分けにはいかない。敢えて松井のゴールに水を差したい。
正直に書こう。実は、わたしは松井のゴールシーンは見ていなかった。“エッ!!”と思うだろうが、後半30分過ぎ、欠伸がでた水準の低い試合がダラダラと続いた。この凡戦に耐えられなくて会場を後にしたからだ。

前半、松井は3度、それもゴール前正面の至近距離を外した。左右からのコーナーキックからのこぼれ玉、絶好の得点チャンスをミスキックで潰した。最初のボレーショットは、左足を掠めてボールはアサッテの方角に飛んだ。2,3回とも、ボールは連続してあたり損ない。1本はショ〜ベンショットでGKの懐へ。松井も空を仰いで悔やんでいた。大柄な黒人選手が松井の動きを完璧に封じていた。松井もキツイマークに動けなかった。

この夜の先発ポジションは、MFの真中。後半、選手交代があって、左ウイングポジションに回る。12月半ばチーム不振の責任をとって監督交代。新監督は松井をMFの中で使い、正確なパスに期待しているようだ。
お互いの連携プレーに日が浅くて混乱するのか、松井は下から上がってくるチャンスに、重なり合いが多く、ボールを受けるポジショニングが悪い。仲間がボールを出せないシーンが暫しあった。
松井はエネルギーの容量を越えると「知らん!」と、ボールに背を向ける。GKからのロングボールを完全無視してポジションに戻る癖は直らない。

松井の上半身はコンニャクのようにクニャクニャ動く。身体の使い方も悪いが、上半身がひ弱なためハンドオフを使わない(?) 身体を寄せられ絡まれると暫しボールを奪われたのが目に付いた。
この夜、松井は今季初めてリーグ戦フル出場を果たした。

1月14日、松井はランス対ル・マン戦で、後半ロスタイムに0−1の均衡を破る2試合連続決勝ゴールを決めた。

(望月次朗)

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