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第7回世界ユース選手権大会 大会最終種目を飾る男子メドレーリレー

日本チーム最高記録で2位

ドーバー海峡が近いためか、気紛れで不順な天候が連日続いたことを前号にも書いた。快晴の青空がたちまちに曇り、雨が降り出す。しばらくすると、先程の寒さが嘘のように青空が広がり強烈な夏の陽が顔を出す。残りの大会期間中も変わらず、同じ状況の繰り返しだった。大会が進むにつれ、祭り、遊び大好きフランス人は、スタンドから猛烈な奇声を張り上げて声援を送り、リズミカルに踊りまくって雰囲気を盛りあげるのがうまい。たちまち、各国の色とりどりな応援合戦がスタンドで始まった。選手たちは最終回まで熱い戦いを繰り広げた。前号では大会2日目まで報道したため、今月号は3日目からのハイライトレポート。日本選手は最終的に銀メダル2個、銅メダル1個獲得、入賞数は11人、ポイント数52点、総合10位で大会を終了した。2年後の次回は、現棒高跳び世界記録保持者、IAAF副会長のセルゲイ・ブブカの出身地ウクライナのドネツク市で開催される。

大会3日目

・男子200m予選は、100mに劣らず11組で参加者が多い。5組に出場した諏訪達郎(四日市工2年、三重)は、21秒94で2着。6組の橋本晃志(川薩清修館2年、鹿児島)も21秒55で2着。2人とも準決勝進出を果たした。

・男子400m決勝。福永自己新記録で5位
福永拓哉(洛南3年、京都)は、予選でいきなり自己最高記録の47秒24、準決勝1組47秒30の1位で通過。決勝に向けて「調子は良いので思い切って行きました」と言うように、47秒16の自己ベストを再び更新する力走を見せたが、上位4人が46秒台の好記録でメダルに手が届かなかった。「メダルを狙ったんですが、世界は広く決勝はハイレベルな戦いだった。結果は自己ベストなので、満足です。次はメドレーリレーでなんとかメダルを獲得したい。そして帰国後のインターハイで優勝狙いにいきます。」と前向きに気を引き締めていた。アーマン・ホール(アメリカ)が今季世界最高記録46秒01の大差で優勝を決めた。

・男子800m予選6組に出場した三武潤(城西大城西2年、東京)は、1分52秒69で3着。全体の15位で準決勝に駒を進めた。

・男子110mH決勝、高畠5位と健闘
高畠匠(東京3年、東京)は前日の予選を4組1着13秒88の自己ベストで通過。全体8位の好成績だった。この日の準決勝は5時開始。このレースも1組1着の13秒88の自己記録を大きく更新した13秒66で1位通過。この記録はこの時点で今季世界ランキング5位の素晴らしい記録だった。準決勝ベストタイムで堂々と決勝進出。「これまでで最高のイイ走りができた」と喜んだ。決勝は18時50分とかなりハードスケジュールだ。決勝で周囲の期待にプレッシャーを感じたのか、3コースで硬くなったのか、準決勝のリズミカルな走りが見られず、13秒77で5位に終わった。高畠は、「やはり決勝は自らプレッシャーがかかって硬くなったため、準決勝のようにスムースに走れなかった。でも、イイ経験になりました。」と。これまで日本選手に苦手とした種目で決勝進出を果たした実績は貴重な経験。

・男子ハンマー投げ決勝、パスズトル大会新記録で優勝
ベンス・パスズトル(ハンガリー)は、大会1月前 83.92m歴代1位の記録を更新したばかり。初回から82.60mを投げてリード。連続3回82mを投げ、4、5をファオルして最終回優勝記録を決めた安定した投擢で2位以下に4m以上の大差をつけた。ただ一人大台の80mを投げた逸材だ。かれはハンガリー伝統種目を受け継ぐ、小柄だが速いスピン、技術を持った次世代の期待される選手になるだろう。現世界記録保持者のユーリー・セディックから表彰された。

・女子200m予選6組に出場した青木益末(創志学園2年、岡山)は、自己ベスト24秒87で4着。全体の16位で予選通過。準決勝に進出。

・女子400m決勝、逸材のミラー優勝
今大会でバハマ勢が金3、銅1個と大活躍。メダル獲得ランキング4位に輝いた。中でも女子200mを自己新記録の51秒84で圧勝した、180cmを超える長身のシャウナエ・ミラーは、往年のマリー・ペレック(フランス。バルセロナ、アトランタ五輪200,400mで優勝)を彷彿とさせる逸材だ。母親に付き添われて記者会見に現れた。高校卒業後、今大会の成績が認められスポーツ奨学金でアメリカの大学に行くだろうとのことだ。将来200mまたは400mで次代の世界的なランナーに成長するだろうか。

・女子800m準決勝2組出場の福里秋帆(川輪2年、神奈川)は自己ベスト2分7秒52で3着。3組出場の中田美保(県西宮2年、兵庫)は2分7秒17で4着だったが、それぞれ全体の10,11位で決勝進出ならず。

・女子5000m競歩決勝に出場した山中真琴(星翔3年、大阪)は、23分25秒77で12位だった。

大会4日目

・男子200mで橋本は準決勝1組21秒20の2着で決勝進出を果たした。がぜん、橋本にメダル獲得の期待が掛ってきた。橋本は、「少なくとも大会前から決勝進出を第一目標にして、決勝に進出できたらメダル獲得を狙うと考えていました。」と頼もしかった。1位は長身で優勝候補の一人、ステファン・ニューボルド(バハマ)。21秒08の自己新記録で楽勝した。諏訪は準決勝2組に出場したが21秒46で4着。決勝進出はならなかった。

・男子800m決勝、レオナルド・キルワ・コセンチャ世界最高記録で圧勝
優勝したレオナルド・キルワ・コセンチャ(ケニア)は、まだ16歳の少年だが1分44秒08の、日本記録を大きく上回る凄い世界最高記録を樹立。この記録が出た時点で、今季、一般の部門を含めた世界記録保持者のルデシャ、カキ、ボルザコフスキー、ムタイに次ぐ世界ランキング5位の好記録だ。当たり前のように他を圧倒して、無表情でゴールに飛び込んできた。史上最強選手は電光掲示板の自己記録を指さして満足そうだった。昨年、ユース五輪1000m種目で優勝したモハメッド・アマン(エチオピア)は1分44秒68で2位の歴代3位。3位のティモシー・キツム(ケニア)も1分44分98の歴代4位の好記録で続いた。上位3人が1分44秒台の優勝争いは史上稀な激走だった。

・男子400mH決勝、松本3位、間處7位
400mH予選は大会1日目、準決勝が2日、決勝は中1位日を置いて大会4日目に行われた。松本健志(中大附3年、東京)は予選を53秒42、準決勝を52秒20でそれぞれ1着通過。松本は決勝に向けて、「ここまでくればメダル獲得を狙って頑張ります」と張り切っていた。間處将太(滝川二2年、兵庫)は予選を53秒42の自己新記録で2着、準決勝でさらに51秒72と自己記録を短縮して3着。かれも決勝の抱負を訊かれて「イイ走りしてメダル狙いたいですね」とメダル獲得をターゲットに。日本選手2名が決勝でどのような結果を出すか注目された。決勝は間處が1コース、松本が4コース。号砲と共に、勢いよく飛び出したのは1コースの間處だった。準決勝で全体1位の3コースのエゴール・クズネッツフ(ロシア)を追うように飛ばした。しかし、前半から積極的に飛ばしたのがたたり、間處は最後のコーナー手前でスピードが落ち始めた。松本は目の前の5コースを追うようにして走る。松本は粘り最後のハードルを越えた瞬間、左のクズネッツフは明らかにトップだったが、右のイブラヒム・モハメッド・サレー(サウディアラビア)と横並びの2位。ふたりの熾烈な2位争いがゴールまで続いたが、わずかにサレーが松本を抑えて自己ベスト51秒14で2位、松本も自己ベスト51秒26で3位。念願のメダル獲得。松本は、「メダルを目標にイイ走りが前半からできた。最高の走りができて念願のメダルを獲得してサイコーです!」1位から7位まで自己ベストの激走だった。間處は、「前半から飛ばせ!という日本からの先生の指示を昨夜もらって、それに従って走りましたが、完全な作戦の失敗です。後半になって完全に疲れてしまった。前半から飛ばしたツケです。悔しいです。」と晴れない表情だった。優勝したクズネッツフの50秒97は今季世界ベストの記録だった。

・男子走り高跳び決勝。小池が今シーズンベストで5位。
小柄なガエル・レヴェックエ(フランス)が1回目のジャンプで自己ベストの2.13mを跳んで優勝。以下3位まで同記録だった。小池輝(浜松市立3年、静岡)は5位に終わったものの、「決勝は1.95mから始まり、2.00m、2.05mまで一発でクリアーしてきました。2.09mも2回目の跳躍で成功。優勝は2.13mですから、あれを跳んでいたらメダルに手が届いていました。あと一歩でしたが、これまで2.05mがベストだったので、しっかり自分のジャンプができてシーズンベストの記録が出たので満足しています。大会も非常に楽しかった」とすっきりした表情だった。

・男子三段跳び決勝。ツイン兄弟の活躍
ラトリオ・コリーエ‐ミンス(バハマ)は、決勝でただ一人初回の跳躍で16mの大台に乗せて優勝。2,3回をパス。4,5回はファウル、6回目をパス。2位のアルバート・ジャンキ(南アフリカ)に11cm差をつけて優勝した。どちらが兄か聞くことを忘れたが、15.51mを跳んで3位になったラトナはジャンキの双子の兄弟だ。もちろん、ジャンピングスタイルも見分けがつかないほど類似している。

・女子200m準決勝に出場した青木は1組24秒64の自己新記録で6着。全体で18位となり決勝進出ならず。

・女子1500m決勝でファイス・チェプンゲテッチ・キプイェゴン(ケニア)が4分9秒48の大会新記録、今季世界最高記録で圧勝。2,3位はエチオピア選手だった。福田は2分19秒27で7位。武田は自己新記録2分20秒62で8位とそれぞれ入賞を果たした。

・女子400mH決勝、滝沢自己新記録で4位
滝沢は1コース。あたかも5コースの優勝したニャンヤ・ハイリー(アメリカ)を追うように積極的にスタートから飛ばした。確実に2,3コースの選手を追い越し、最後のハードルを越える瞬間、ほぼ3位の選手と横並びだったたが、激戦の末に4位に終わった。滝沢は、「メダルを目標に走ったんですが、6代目で詰まって、届かなくてリズムを崩してしまった。それでもなんとか後半に立て直すことができました。もう少しでメダルに手が届きそうでしたが…、自己ベストの記録ですから自分なりにしっかり走れたと思います。大会は非常に楽しかったです」と笑顔で結んだ。優勝記録は、57秒93で今季世界ベスト記録だった。

日本の女子チームは、野林、青木、土井、名倉のオーダーで3組2分10秒54の4位予選落ち。日本男子チームは、前日の予選1組1分52秒45の1位通過。この時のオーダーは、塚本、大瀬戸、愛敬、福永の順だった。予選タイムナンバーワンで決勝進出を果たした。

大会5日目、男子メドレーリレー銀メダル獲得

・男子200m決勝、ニューボルド優勝、大健闘の橋本4位
6コースの長身に水色のユニフォームを着たステファン・ニューボルド(バハマ)が、直線に入った後半にグングン加速、4コースの100mで優勝したオダイル・トッド(ジャマイカ)、5コースの同4位のロナルド・ダービー(アメリカ)らを完全に引き離し、20秒89の今季世界ランキング3位の好記録で圧勝。トッド、ダービーらはそれぞれ2、3位。トッドの100mに続く2冠獲得を阻止。8コースの橋本は、前半うまいコーナリングでカーブを抜けたが、後半上位3選手に抜かれて21秒21で4位に終わった。橋本は、「初期の目的は決勝進出。決勝でメダル獲得を目指したんですが、残念ながら手が届かなかった」と悔しさを見せた。その分メドレーリレーで激走、リレー2走で銀メダル獲得に大きく貢献した。

・男子3000m決勝、シトニック大会新記録で優勝、
毎度のことだが、すでに予選からこの種目はケニア、エチオピア、エリトリアの3カ国の選手によって上位争いが行われると簡単に予想できた。また、この世代は伸び盛り。決勝進出を果たした12名のうち、1〜11位までの全員が自己記録更新を果たしている。レースは最後の200mで残ったウィリアム・マレル・シトニック(ケニア)、パトリック・ムツンガ・ムウィキャ(ケニア)、アブラル・オスマン・アデム(エリトリア)の3選手によるスプリント争いで決着。シトニックが7分40秒19の大会新記録で優勝。2位にムウィキャが入りケニアが1,2位独占、3位にアデムが食い込んだ。この結果、今大会も例に漏れることなく、男子800,1500,3000,2000m障害の中・長距離種目は、これらの国々の選手による独占制覇が決定した。

・男子棒高跳び決勝、ロバート・レンネルが優勝
この種目に才能ある選手が揃った印象を受けた。まだテクニックは粗削りだが、見栄えする大型選手が勢ぞろいした。野田は予選で4.70を一発で跳んで全体の12位で決勝進出を決めたが、榎木はタイミング合わずに4.40mをも跳べずに記録なしで敗退。不完全燃焼で会場を後にした。野田は決勝で4.80mのバーを2回目にクリアーしたが、4.90mを3回とも失敗して、予選より順位をわずかに上げたが9位に終わった。4.80mを超えた選手が8人。4位から9位までが同記録。結局、ロバート・レンナー(スロベニア)、メルカー・スヴォ―ド・ヤコブセン(スウェーデン)、ヤコブ・ブランカーシップ(アメリカ)らの3選手でメダル争いが始まったが、決着は意外と早かった。優勝はレンナーが自己最高記録の5.25mを一発でクリアーして優勝。2位のヤコブセンは5.15m、3位のブランカーシップが5.05mで3位だった。

・男子やり投げ決勝、南ア選手が1,2位を独占
決勝進出した12名の選手で、80mの大台を投げた選手は南アのレイハルド・ファン・ジール、ノルネ・ムールマンの2選手だけ。今季世界ランキングトップはムールマンの持つ83.16mだが、2投目にファン・ジールが82.96の自己最高記録を投げて優勝。2位はムールマンが5投目に投げた80.99だった。3位の中国選手は77.62m。宮田は予選で自己ベストの63.29mを投げたが全体の23位で予選落ちした。

・日本男子メドレーリレーで堂々の銀メダル獲得。
大会最終種目を飾る男女メドレーリレー。女子の決勝はジャマイカとアメリカの2強対決。粒ぞろいのジャマイカが圧倒的な強さで2分3秒42のユース世界最高記録で優勝。2位のアメリカは2分3秒42で史上4位の好記録だった。ジャマイカチームは世界最高記録を掲示した時計の前で優勝ポーズを決めてにっこり。女子リレーに続き男子リレーが大会最終種目を飾った。男子日本チームは、予選を1着通過。決勝は目の色変えてメダル獲得に挑んだ。男子のアメリカチームは、実力通り1走から2位の日本チーム以下を大きく離して1分49秒47のユース世界最高記録で圧勝。日本チームは、100m2位の大瀬戸がタイミングよく飛びだし、200m4位の橋本にうまくバトンを渡す。第3走は400m準決勝進出の愛敬。アンカーは400m5位の福永が持ち前の実力を遺憾なく発揮した。アンカーの福永は、地元の声援をバックアップに力走するフランスを突き放して2位を確保。必死の形相でゴール。駆け寄った同僚と「ヤッター!」と抱き合って興奮。あとは言葉にならない。チームがひとつの目標「メダル獲得」に一丸となって力走した結果だ。駆け寄ったカメラマンのさまざまなポーズの注文に満面に喜びを表して応えていた。大瀬戸は、「スタートもタイミング良く飛びだし、橋本にスムースにバトンを渡すことができた。全員完璧な走りだった」福永は「スタートから全員がイイ走りでバトンタッチも完璧にうまく行ったと思います。チームワークの勝利です」と大喜びだった。アメリカに続く1分50秒69の今季世界ランキング2位、歴代3位のボーナス記録になった。予選を4組2位通過のジャマイカはなぜかスタートしなかった。
大瀬戸は100mに続き銀メダルを獲得、日本選手の中で個人メダル最多数を獲得した。

・女子200m決勝。デザイリー・ヘンリー圧勝
大会前、今季世界ランキング10位にも入っていないデザイリー・ヘンリー(15歳)が、レースごとに自己記録を更新。準決で23秒38、決勝で今季世界最高記録23秒25の自己最高記録を出して圧勝。ヘンリーは、「これはコーチのマイク・マックファーランのおかげ」と大喜びだった。マックファーランは、ジャマイカ出身の英国育ち。かれは80年代に英国五輪代表として五輪3回出場。昨年ジュニア世界選手権女子100m優勝、200mで2位だったジョディ・ウィリアムス(イギリス)を育てた名コーチ。国内ではヘンリーを4x100mリレーメンバーとしてテグ世界選手権に同行させる案も出ているとか。今後の成長が楽しみだ。2位になった小柄なクリスチャン・ブレンナン(カナダ)は、23秒47の自己新記録で400mに続き2個目の銀メダルだった。

・女子800m
アジェー・ウィルソン(アメリカ)が自己タイ記録の2分2秒63で圧勝。中国の王、ジェシカ・ジュッド(イギリス)、世界ランクナンバーワンのアミー・ウェイゼンバッハ(アメリカ)らが一団となってトップ集団を構成。中でも王が積極的なレース展開。残り200mに差し掛かると、後方で満を持していたウィルソンがキック。トップに立つとそのままギャップを広げてゴール。ウィルソンは、「会心のレースで勝って大変に嬉しい」と。

今後、ますますユース世界選手権、ユース五輪、ジュニア世界選手権など、一連の関係、継続した長期育成方針が重要な成功の鍵になるだろう。

原田監督 総括 

「ひとくちにいって、前回同等の成績かそれ以上の結果を果たすことが目標でした。多くの参加選手が自己記録を更新する好成績を上げています。もちろん、実力を完全に発揮することができず不完全燃焼に終わった選手もいますが、まずまずの成果だったと思います。帰国後、インターハイをすぐ迎えるわけでが、世界選手権の経験を踏まえてさらに、成長してほしいと思います。今回、銀メダル2個、銅メダル1個獲得、入賞数は11人。ポイント数は52点で総合10位です。7回目の世界選手権を終了して感じたことは、大会ごとに参加国、参加選手数が多くなっていることです。ということは、この大会自体が明確に世界に認識され、各国の協会がますます本腰を入れて取り組んでいると推測しています。若い世代ですからこのような国際経験は非常に重要なことですが、参加する以上はこのレベルである程度世界で勝負できる実力を持った選手を選考基準にして決定しました。やはり、世界選手権大会ですから、結果もそれなりに求められるのが現状です。この年代の種目によっては非常に層が厚く、逸材ぞろいです。こうした世界的な大会に出場して、持てる素質を大きく開花するきっかけになると思います。最後の男子メドレーリレーで2位になったのは、リレー選手全員が各種目で十分入賞圏内の実力者ぞろいだったからです。男子棒高跳びが、もう少し頑張ってくれると期待しましたが記録が伸びなかった。多くの参加選手が自己ベストを達成できて、日本女子選手が本当に良くやってくれたと思います。日本国内のこの年代の投的種目用具の「重さ」がユース世界選手権使用(砲丸、ハンマーは5kg、円盤は1.5kg、やり投げ700g)と違い、多少のテクニックの狂いが生じるケースも生まれてきます。女子100mハードルの高さも違うので、日本選手はかなり戸惑っていました。これらのギャップをどのようにしてカヴァーして行くか、これからの課題の一つでしょう。帰国後、インターハイが控えているのでこの経験を十分生かして頑張ってほしいと思います。」

第6回大会・イタリア(銅1・入賞13)
銅1・男子メドレーリレー
男子100m・4位、6位
男子400m・7位
男子3000m・8位
男子400mH・4位
男子PV・5位
女子1500m・6位、8位
女子3000m・5位
女子メドレーリレー8位
女子5000mW 7位、8位

今大会・リール(銀2・銅1・入賞11)
男子100m・2位
男子200m・4位
男子400m・5位
男子110MH・5位
男子400mH・3位、7位
男子HJ・5位
男子メドレーリレー2位
女子1500m7位、8位
女子3000m6位、7位
女子400mH4位

 
(2011年月刊陸上競技9月号掲載)
(望月次朗)

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